最近の法令改正と実務上の留意点

最近の法令改正と実務上の留意点

 

宅建業法においての「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」に名称が変更となり、士業になりました。それに伴い宅地建物取引士に係る条文が新設されました。

 

第15条(宅地建物取引士の業務処理の原則)

宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める業務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。

 

この条文の解釈・運用の考え方として

公正誠実義務について

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、専門的知識をもって適切な助言や重要事項説明などを行い、消費者が安心して取引を行うことができる環境を整備することが必要である。このため、宅地建物取引士は、常に公正な立場を保持して、業務に誠実に従事することで、紛争などを防止するとともに、宅地建物取引士が中心となって、リフォーム会社、瑕疵保険会社、金融機関などの宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携を図り、宅地及び建物の円滑な取引の遂行を図る必要があるものとする。

 

 

第15条の2(信用失墜行為の禁止)

宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない

 

解釈・運用の考え方

信用失墜行為の禁止について

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として専門的知識をもって重要事項の説明などを行う責務を負っており、その業務が取引の相手方だけでなく社会からも信頼されていることから、宅地建物取引士の信用を傷つけるような行為をしてはならないものとする。宅地建物取引士の信用を傷つけるような行為とは、宅地建物取引士の職責に反し、または職責の遂行に著しく悪影響を及ぼすような行為で、宅地建物取引士としての職業倫理に反するような行為であり、職務として行われるものに限らず、職務に必ず直接関係しない行為や私的な行為も含まれる。

 

特にこの第15条の2の信用失墜行為の禁止についてはよく考えることが必要になってくると思います。書いてあることは当たり前のことになりますが、明文化したことにより、何か問題を起こしたときに、この条文を理由に訴えられる可能性があると思います。

 

 

第15条の3(知識及び能力の維持向上)

宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。

 

解釈・運用の考え方として

知識及び能力の維持・向上について

宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、常に最新の法令等を的確に把握し、これに合わせて必要な実務能力を磨くとともに、知識を更新するように努めるものとする。

 

 

第31条の2(従業者の教育9

宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うように努めなければならない。

 

解釈・運用

宅地建物取引業者は、その従業者に対し、登録講習をはじめ各種研修などに参加させ、又は研修などの開催により、必要な教育を努めるものとする。

 

第15条の3、第31条の2は自身の取引士としての知識の向上だけでなく、従業員にも教育の機会を与えるようにするとされています。

 

 

上記で記載した、追加事項ですが、「宅地建物取引士」は、単に不動産取引の専門家ということではなく、「高度な専門知識を有した不動産取引の専門家」と位置付けられました。建築士、司法書士、土地家屋調査士などの他の士業と同様に、専門家としての信頼・期待は大きく、求められる責任も従来より重くなりました。

このことで、今まで以上の責任のある仕事にするということが条文の追加から伺えます。

 

d1bc45b98561e7243cd0ff12c114832d_s

 

 


                                     

このページの先頭へ